痔疾患の基礎と痔疾患治療薬「強力ポステリザン(軟膏)」

 

肛門の構造と主な痔について

*以下、マルホ製薬より引用

https://www.maruho.co.jp/g-life/knowledge/kn_06.html

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【痔核】

  1. 男女ともに痔疾患の約半数を占める。
  2. 日常生活で肛門に対する負担がかかることで、肛門の閉鎖に関わるクッション部分が増大して生じる。
  3. 主な症状:出血、痔痛、脱出、腫脹、掻痒感、粘液露出
  4. 治療:日常改善、外用薬を主体とした薬物療法による保存療法→出血を繰り返す場合や痔核の脱出で日常に支障をきたす場合は外科手術の検討 ※痔の脱出とは:痔が飛び出している状態のこと

肛門疾患ガイドラインでは、ステロイド含有薬は腫脹、疼痛、出血の強い急性炎症の時期に著効を示す場合が多いが、長期連用はステロイド性皮膚疾患や肛門周囲白癬症をきたす可能性があるため注意。

ステロイドには免疫力を抑える作用があるため、水虫・たむしが存在すると、最初は炎症が緩和して症状がよくなっているように見えることが多いのですが、使用し続けると白癬菌の大増殖に繋がり悪化します。

 

【裂肛】

  1. 幅広い世代に見られるが、成人女性に多い傾向
  2. 硬便の排泄などで、肛門上皮に紡錘状の裂創が生じる。慢性化すると潰瘍化や肛門狭窄を呈し、肛門ポリープ・見張り疣(いぼ)を形成することがある。
  3. 主な症状:排便時の少量出血と肛門痛。急性期の痛みは軽く、時速時間も短いですが、慢性化するにつれ、常時疼痛を訴えるようになる。合併して肛門ポリープが脱出することもある。
  4. 治療:排便コントロールと痔疾患軟膏薬による保存的治療法が中心。慢性化すると外科的治療が必要なケースも。

 

痔瘻

  1. 男性に多い傾向
  2. 肛門陰窩から侵入した菌が内括約筋から肛門腺に沿って膿瘍を形成し、周辺組織に拡大進展する。細菌が侵入した肛門陰窩を原発口、膿瘍のドレナージ孔を二次口、両者をつなぐ管を瘻管という。
  3. 主な症状:肛門周囲における突然の痛みを伴う、腫脹と発赤や発熱であり、痔瘻になると持続的な膿の排出や間欠的な肛門周囲の腫脹、圧痛をきたします。
  4. 治療:自然治癒はまれ。外科的治療が第一選択

 

痔治療の代表的な治療薬として処方がされている「強力ポステリザン軟膏」

有効成分:大腸菌死菌浮遊液(局所感染防御作用、創傷部の治癒を促進)+ヒドロコルチゾン(抗炎症作用)

大腸菌死菌浮遊液は、免疫系を刺激することでマクロファージを活性化し、局所感染防御作用を示すとともに、線維芽細胞に働きかけ、肉芽形成を促進し創傷部の治癒を促進する、

https://www.maruho.co.jp/medical/pdf/products/posterisanforte/tool/posterisanforte_shiyouhou_l.pdf