ゾフルーザ耐性問題

昨年発売された塩野義製薬のゾフルーザ:インフルエンザ治療薬だか、販売当初も少し効果や安全性について疑問があるなかでの市販だったけれど、今年以下の発表が行われた。

 

11月25日に東京大学医科学研究所の河岡義裕教授たちが『ネイチャー・バイオテクノロジー』に発表した論文だ。この研究では、ゾフルーザが投与された38人の患者を対象に投与前後でタミフル耐性遺伝子の有無を調べた。

結果は衝撃的だった。服用前に耐性ウイルスを検出された患者はいなかったが、服用後のサンプルでは9人から検出されたのだ。とくに小児では耐性化の頻度が高かった。15歳以下では27人中8人だ。16歳以上の11人中1人を大きく上回る。小児ではたった1錠投与で約3割の患者で耐性化したことになる。

 

つまり、小児への投与の場合、ウイルス耐性の確率が成人よりも高くなるということが判明した。これは臨床試験中にも海外から指摘のあった内容と一致する割合のようです。

実際、薬局でも子供へゾフルーザを敬遠するお母さんもいて、少なからずインパクトは患者にとってもありそうです。

 

ただ、昔タミフルかなにかでも耐性ウイルスが出たことがありましたが、翌年にはまた違うタイプのインフルエンザが流行しタミフルの効果は保たれるということもありました。

 

今回のゾフルーザ耐性が永久的なのか否かはまだわかりませんが、少し様子をみつつ医療機関も対応をしていくべきかと思います。少なくとも小児への投与は。